新居生活③

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一人での子育ては大変だった。

 

夫も帰りは遅く、お風呂も一人で入れなきゃならない。

 

子供の新しい衣類を重ねてすぐ着られるように準備して

 

私も裸になって一緒に入る。

 

私は自分の体をふくこともできないで、

 

娘の体をふき、おむつをして着替えさせてベビーに置く。

 

幻聴が聞こえるようになったのはこのころだった。

 

お風呂に入っていて、電話が鳴っている音がする。

 

急いで出ると着信の履歴はない。

 

別の部屋で作業していると子供の鳴く声がする。

 

あわてて部屋に戻ると全然そんなことはない。

 

シンクには洗い物がたまり、

 

主人は何度も哺乳瓶の口のところに

 

カビが生えているのを見たそうだ

 

そのたびに捨てたという。

 

夜は夜で、動くようになってから

 

落っこちるのが怖く引き布団で寝るようになった。

 

私はわたしで眠剤を飲んでいるから

 

飲んだら寝かし付けが終わる前に寝てしまう。

 

でも飲まないわけに行かない。

 

寝かし付けのすんでいない娘は、

 

リビングまで這って出て行って力尽きて寝る。

 

主人はそういう光景を見て私が家事をしていない

 

と、断定したみたいだ。

 

離乳食も最初こそ作っていたものの

 

普通のご飯が食べられるようになってからは

 

和光堂のご飯にあんかけに頼り切りになってしまった。

 

あの餡は温めなおすと水みたいになってしまって

 

餡にならない。

 

だから温かいご飯に冷たいままかけて

 

あんかけにするのがちょうどいいと工夫してるのに

 

温めないでご飯に盛るのは虐待だと主人は言った。

 

思い描く主人の理想と、

 

私のできる精いっぱいの現実が

 

かみ合わなくなってきた。

 

 

 

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